カーブアウト (かーぶあうと)
企業が子会社や事業の一部を切り出して独立させる手法の総称です。切り出された事業を第三者へ売却・譲渡して再編することや、スピンオフのように親会社との資本関係を維持したまま独立させること、スピンアウトのように完全に資本関係を断ち切ることなど、様々な手法を含みます。経営における「選択と集中」の一環として行われ、不採算事業の切り離しだけでなく、成長性のある黒字事業を対象とすることもあります。
英語表記
Carve-out
役割・実務での使われ方
手法の分類(資本関係による違い)
カーブアウトには、切り出した事業と親会社との資本関係によって、主に3つの手法があります。
売却・譲渡(第三者へのカーブアウト)
事業を切り出した後「外部の第三者(PEファンドや他社など)」から出資を受け入れる手法です。
外部の資本と知見を取り入れることで、事業の飛躍的な成長を目指します。
スピンオフ(Spin-off)
事業を切り出した後も、「親会社との資本関係(または既存株主との関係)を維持する」手法です。
外部資本は入れず、グループ内での独立性を高めたり、既存株主に新会社の株式を割り当てたりして独自の経営判断を促します。
スピンアウト(Spin-out)
事業を切り出した後、「親会社との資本関係を完全に断ち切る」手法です。
切り出された事業の経営陣や従業員が自ら出資して独立する(MBOなど)ケースが多く、親会社の傘下から完全に離脱して自由な経営を行います。
企業グループの「選択と集中」
非コア事業を切り出して売却し、得られた資金を中核となるコア事業に集中投資します。
親企業の経営再建と買収防衛
親企業が経営危機に陥った際、優良事業を切り出して売却し、当面の資金を調達します。また、敵対的買収への防衛策として活用されることもあります。
事業の独立と成長スピードの加速
親企業の意思決定プロセスから事業を切り離すことで、独自の経営戦略を描きやすくなり、迅速な意思決定や従業員のモチベーション向上が期待できます。
注意点
「シナジー」の喪失と分離コスト
親会社と切り出された事業の間にあった相乗効果(シナジー)が失われる可能性があります。
また、システム・インフラの分離に伴うコストと手間が一時的に発生します。
従業員の転籍に伴うモチベーション低下や人材流出のリスク
親会社の看板が外れることによる従業員の不安やモチベーションの低下、人材流出のリスクに配慮したPMIが重要です。
取引先や顧客との契約の見直し・再締結、知的財産権の移転手続きなども必要になります。